パソコンやスマートフォンを見る時間が増え、「目の健康のために食事にも気をつけたい」と考えている人は多いのではないでしょうか。
目の健康を考えるなら、特定の食材だけをたくさん食べるのではなく、ビタミンAやカロテノイド、ビタミンC、ビタミンE、オメガ3脂肪酸など、さまざまな栄養素をバランスよく摂ることが大切です。
この記事では、目の健康をサポートする食べ物10選と、忙しくても実践しやすい簡単な摂取方法を紹介します。

目に良い食べ物を選ぶポイント!注目したい5つの栄養素
「目に良い食べ物」と聞くと、にんじんを思い浮かべる人もいるでしょう。確かに、にんじんなどに含まれるβ-カロテンは体内でビタミンAに変換されます。
ビタミンAは、目に入った光を感じ取る網膜の「ロドプシン」に関係しており、正常な視覚を維持するために重要な栄養素です。ほうれん草やにんじん、さつまいも、ブロッコリーなどには、プロビタミンAとなるカロテノイドが含まれています。
さらに注目したいのが、ルテインとゼアキサンチンです。これらは緑葉野菜などに含まれるカロテノイドで、特にほうれん草などの濃い緑色の野菜から摂取できます。国立眼研究所(NEI)も、目の健康を考えた食生活として、ほうれん草やケールなどの濃い緑色の葉野菜や、オメガ3脂肪酸を含む魚を挙げています。
また、ビタミンCやビタミンEも抗酸化作用を持つ栄養素です。ビタミンCはピーマン、キウイ、柑橘類、ブロッコリーなどに多く含まれ、ビタミンEはナッツ類などから摂取できます。
そして魚に多く含まれるEPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸も、目の健康を考えるうえで意識したい栄養素です。DHAは網膜にも多く存在します。
つまり、「目に良い食べ物」を探すときは、ひとつの食品に注目するのではなく、緑黄色野菜、魚、卵、果物、ナッツ類などを組み合わせることがポイントです。

目に良い食べ物10選!毎日の食事に取り入れたい食材
ここからは、日常の食事に取り入れやすい食材を紹介します。
1.ほうれん草
ほうれん草は、β-カロテンをはじめとするカロテノイドを含む代表的な緑黄色野菜です。
文部科学省の食品成分データベースでは、ゆでた冷凍ほうれん草にもβ-カロテンなどが含まれていることが確認できます。
おひたし、炒め物、味噌汁、卵料理など、さまざまな料理に使えるのもメリットです。
2.にんじん
にんじんはβ-カロテンを摂りやすい野菜です。β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、正常な視覚を支える栄養素として働きます。
千切りにしてサラダにしたり、電子レンジで加熱したりすれば、手軽に食べられます。
3.ブロッコリー
ブロッコリーにはβ-カロテンやビタミンCなどが含まれています。ビタミンCは果物だけでなく、ブロッコリーなどの野菜からも摂取できます。
冷凍ブロッコリーを常備しておけば、忙しい日の副菜にも便利です。
4.卵
卵にはビタミンAやルテイン、ゼアキサンチンなどが含まれています。
また、卵に含まれる脂質と野菜を組み合わせることで、野菜に含まれるカロテノイドの吸収が高まったことを示した研究もあります。
ほうれん草と卵の炒め物や、野菜サラダにゆで卵を加える方法なら、簡単に取り入れられます。

5.鮭
鮭は魚の中でも日常的に食べやすく、ビタミンAやオメガ3脂肪酸などを含む食品です。NEIも、健康的な食生活の一例として鮭などの魚を挙げています。
焼き鮭、鮭フレーク、缶詰などを利用すれば、料理の手間も減らせます。
6.青魚
サバ、イワシ、サンマなどの青魚は、EPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸を摂るための食品として活用できます。DHAは網膜にも多く存在します。
焼き魚だけでなく、缶詰を利用するのもおすすめです。
7.ピーマン・パプリカ
ピーマンやパプリカはビタミンCを摂りやすい野菜です。特に赤や緑のピーマンにはビタミンCが含まれています。
切ってそのままサラダにしたり、肉や魚と炒めたりするだけでも、毎日の食事に取り入れられます。
8.キウイ・柑橘類
キウイやオレンジなどの柑橘類は、ビタミンCを含む手軽な食品です。朝食や間食にそのまま食べられるため、料理が苦手な人にも取り入れやすいでしょう。
9.ナッツ類
アーモンドなどのナッツ類は、ビタミンEを摂る食品として活用できます。
ただしナッツはエネルギーも高いため、「体に良いから」と大量に食べるのではなく、少量を間食や食事に加えるのがおすすめです。
10.牡蠣・魚介類
牡蠣などの魚介類は、亜鉛を含む食品です。亜鉛はさまざまな体内機能に必要なミネラルで、牡蠣は特に亜鉛の含有量が多い食品として知られています。
毎日食べる必要はありませんが、魚介類を食べる機会があるときに取り入れるとよいでしょう。
目に良い食材を効率よく摂る簡単な方法
目の健康を意識した食事は、特別なレシピを毎日作る必要はありません。
ポイントは、「組み合わせ」と「続けやすさ」です。
緑黄色野菜には少量の油を組み合わせる
β-カロテンなどのカロテノイドは脂溶性の成分です。研究では、食事中の脂質を一緒に摂ることで、野菜に含まれるカロテノイドの吸収が高まりやすいことが示されています。
例えば、ほうれん草をオリーブ油で炒めたり、にんじんにオイルドレッシングをかけたりする方法があります。
「油をたくさん摂ればよい」という意味ではありません。通常の食事の中で適量の油を組み合わせる程度で十分です。
ほうれん草+卵で手軽に一品
ほうれん草と卵の炒め物は、調理時間が短く、複数の栄養素を組み合わせやすいメニューです。
冷凍ほうれん草と卵を用意しておけば、忙しい朝や夕食のあと一品にも使えます。
魚は缶詰を活用する
「魚を食べたいけれど、焼くのが面倒」という場合は、サバ缶やイワシ缶などを利用すると便利です。
ご飯にのせるだけでなく、サラダや味噌汁に加える方法もあります。
ビタミンCを含む食品は手軽な生食も活用
ビタミンCは加熱によって減少することがあるため、キウイや柑橘類など、そのまま食べられる食品も活用しましょう。ブロッコリーなどは蒸したり電子レンジ加熱したりすると、調理時間を短縮できます。
忙しい人にもおすすめ!目に良い食材を使った簡単メニュー
毎日の食事に無理なく取り入れるなら、次のような組み合わせがおすすめです。
朝食
卵+ほうれん草+キウイ
トーストやご飯に、ほうれん草入りのスクランブルエッグを組み合わせ、デザートにキウイを添えます。
卵と緑色野菜からカロテノイドなどを摂り、キウイからビタミンCを補うイメージです。
昼食
鮭+ブロッコリー+にんじんの丼
焼いた鮭や鮭フレークをご飯にのせ、電子レンジで加熱したブロッコリーとにんじんを添えます。
調理済み食品や冷凍野菜を使えば、短時間で作れます。
夕食
サバ+ほうれん草のおひたし+野菜料理
主菜にサバなどの魚を選び、副菜にほうれん草を加えるだけでも、魚と緑黄色野菜を組み合わせた食事になります。
NEIも、目の健康を考えた食生活として、葉物野菜やオメガ3脂肪酸を含む魚を挙げています。
間食
無塩ナッツ+果物
小腹が空いたときには、菓子類だけで済ませるのではなく、少量のナッツとキウイや柑橘類などを組み合わせる方法もあります。
大切なのは、毎食完璧な「目に良いメニュー」を作ることではありません。
「今日は魚を食べたから、次の食事では緑黄色野菜を足そう」というように、1日全体、あるいは数日単位でバランスを整えることを意識しましょう。

食事だけに頼りすぎないことも大切!目の健康を守る注意点
目に良い食材を食べたからといって、視力がすぐに良くなったり、目の病気が治ったりするわけではありません。
食事はあくまでも目を含めた体全体の健康を支える生活習慣の一つとして考えることが大切です。
特に加齢黄斑変性(AMD)については、緑葉野菜や魚を含む健康的な食生活がリスク低下に関連するとされています。一方、すでにAMDがある人などを対象としたAREDS/AREDS2では、通常の食事とは異なる高用量の栄養素を使った研究が行われています。そのため、自己判断で高用量のサプリメントを始めるのではなく、必要性について医師に相談することが重要です。
また、目の健康には食事以外の生活習慣も関係します。NEIは、健康的な食事のほか、身体活動、禁煙、血圧やコレステロールの管理なども目の健康につながる習慣として紹介しています。
見え方の変化、視界のゆがみ、急な視力低下など気になる症状がある場合は、食事で様子を見るのではなく眼科を受診することも大切です。
まとめ|目に良い食べ物は「毎日のバランス」がポイント
目の健康を意識するなら、特定の食材だけを集中して食べるのではなく、さまざまな食品から栄養素をバランスよく摂ることが大切です。
特に、ほうれん草などの緑葉野菜、にんじんやブロッコリーなどの緑黄色野菜、卵、鮭や青魚、ピーマン・パプリカ、キウイや柑橘類、ナッツ類などは、日常の食事に取り入れやすい食品です。ビタミンAやカロテノイド、ビタミンC、ビタミンE、オメガ3脂肪酸などを、さまざまな食品から摂ることを意識するとよいでしょう。
また、緑黄色野菜に適量の油を組み合わせたり、卵と野菜を一緒に食べたり、冷凍野菜や魚の缶詰を活用したりすると、忙しい人でも無理なく続けられます。カロテノイドは食事中の脂質と一緒に摂ることで吸収が高まりやすいことも報告されています。
「目に良い食べ物」を一度に大量に食べるよりも、毎日の食事に少しずつ取り入れて、バランスのよい食生活を続けることがポイントです。
なお、食事だけで視力や目の病気を改善できるわけではありません。見え方に変化や気になる症状がある場合は、食生活の改善とあわせて眼科で相談することも大切です。
