大人ニキビの原因と自分でできる対策
ニキビと呼んでいいのは若いうちだけ、二十歳過ぎたら「吹き出物」なんてことを、昔はよく言ったものですが、「大人ニキビ」に悩む方は男女問わず少なくありません。
突然ぽっつりとできる大きな赤いニキビや、次から次へとできる白ニキビなど、悩みは多種多様です。
ですが、ニキビの出来る仕組みは、基本的に同じ。
大人ニキビを防ぐには、どんなことが必要なのでしょうか。また、できてしまったらどうしたらいいのでしょうか。
ニキビの出来る仕組み
ニキビの出来る仕組みは、毛穴が詰まってしまうこと。
肌の最表面の「角質」が入れ替わることをターンオーバーと言い、通常28日周期で角質は入れ替わっていきます。
このターンオーバーが乱れると、剥がれかけの角質や、剥がれた角質と皮脂でできる「角栓」が毛穴に蓋をしてしまいます。そこに皮脂や汚れがたまってしまうのが黒ニキビや白ニキビ。
さらに、アクネ菌による炎症をおこすと赤ニキビに、さらにひどくなると、膿を持ってしまうこともあります。
皮膚科では「尋常性ざ瘡」という名の、立派な? 病気なのです。
あまりに赤ニキビがひどい方、急にニキビができはじめた、などの方は、スキンケアでは対処できない状態。皮膚科にかかる必要があるかもしれません。
【ニキビのしくみ】
TゾーンとUゾーン
皮脂分泌が活発すぎてできる思春期ニキビは、油っぽくなりやすい額から鼻筋のいわゆるTゾーンに主にできます。
対して、大人ニキビは、頬周り、口周りや顎などのUゾーンにできてくるものです。
よく、口周りのニキビは胃腸の調子が悪いから、などと言いますよね。これはあながち間違いではないのです。
大人ニキビの原因
大人ニキビの原因の主なものは、肌の乾燥や免疫力の低下、そして大きな原因がホルモンバランスの崩れです。
これを引き起こす要因は不規則な生活からくる胃腸の疲れや全身の疲れ、女性であれば生理前のホルモン分泌の変化などです。
ホルモンバランスの崩れとは、この場合アンドロゲンという男性ホルモンが増えすぎることです。
アンドロゲンは皮脂分泌を促進するとともに、角質を増やしすぎる作用があります。過剰な皮脂と角質によって、ニキビができてしまうのです。
逆に、美肌ホルモンと言われる女性ホルモン・エストロゲンが増えると肌の調子は良くなってきます。女性なら、生理が終わった後のあの調子の良い時期や、妊娠後期などに増えてきます。
ただ、エストロゲンは多ければ良いというものではありません。エストロゲンが多すぎると、皮脂の分泌を抑えすぎて肌が乾燥し、ターンオーバーの乱れを招きます。乳がんや子宮筋腫、子宮内膜症の原因になるとも言われているのです。
【らくらくキレイ塾 ホルモンバランス】
生活の乱れとホルモンバランス
ヒトには、交感神経と副交感神経という二種類の神経のネットワークがあります。
不規則な生活を続けていたり、ストレスを感じ続けたりしていると、交感神経の働きが優位になります(交感神経優位)。身体が常に緊張し興奮状態になってしまうのです。
交感神経優位の状態は、前述の男性ホルモン・アンドロゲンの分泌を促します。これが、不規則な生活やストレスと大人ニキビの関係です。
ターンオーバーとニキビの関係
角質が多くなる「過角質」とともに、角質が剥がれすぎることも大人ニキビの大きな原因です。
ターンオーバーの周期が早まると、角質が早く剥がれ落ちすぎて、成熟しきっていない弱い角質が表面に出てしまいます。
弱い角質でできた皮膚は、角質同士をつなぐ皮脂成分が不十分で、水分保持力にも劣ります。肌理が粗くなり、毛穴が広がります。
この広がった毛穴がニキビになりやすいのです。
大人ニキビと付き合うには・ターンオーバー編
大人ニキビと付き合うには、ターンオーバーとホルモンバランスを整え、炎症を抑える免疫力を上げること。
まずは食事と生活の見直しですが、ターンオーバーを整えるには、十分に保湿をしてあげることです。
保湿には、化粧水だけでなく乳液やクリームで蓋をすることも忘れないで。少しでも肌を良い状態にしてあげることで、弱った角質が剥がれ落ちすぎるのを防ぐことができます。
ここで大切なのは、決して慌てないことです。
角質は10層から15層程度ありますが、全ての角質層がより良い状態になるには、最低でも10日から15日かかります。より良い、であって、完璧な状態ではないので、ターンオーバーが完璧に整うまでには更に時間がかかります。
その間は、肌はニキビの出来やすい状態のままです。お手入れを始めてすぐに効果が出ないからといって、途中でやめてはいけません。
大人ニキビと付き合うには・洗顔・クレンジング編
酸化した皮脂を肌に残さないことも大切です。
実は肌にとって最も怖い汚れは、皮脂・油脂の酸化物です。油は空気に触れることで酸化していきます。
皮脂も同様。この汚れは過酸化脂質といって角質剥がれを促進するうえ、皮脂の保湿や柔軟性を保っている細胞間脂質・セラミドまで酸化させてしまいます。
この過酸化脂質を取り除くために、朝晩定期的な洗顔が役立つのです。
また、お化粧をしない男性でも、クレンジングやコールドクリームによるマッサージが効果的。
肌状態が著しく良くない場合には毎日行ってみてください。
クレンジングやクリームで気をつけたいのは、湯水で洗い落とした時に、サッパリとしすぎない、少し油分が残る感触のものを使用すること。
さっぱりしてしまうのは、界面活性剤を使用しているからで、食器用洗剤で洗顔しているのと同じこと、弱った肌の角質の剥がれを余計に促進してしまいます。
クレンジングやマッサージのためのオイル・クリーム類は、摩擦を与えないよう、なめらかな感触が得られるたっぷりした量を使いましょう。強い圧力をかけないよう、「しっかり」よりも「丁寧」を意識したマッサージを習慣にしてください。
【正しいクレンジング法(ドクターシーラボ公式)】
ニキビ用化粧品・薬が効かない!
ニキビ用化粧品やニキビ薬を使って一時的に肌状態が良くなったのに、またニキビが出てきてしまった、ということはありませんか?
ニキビ用化粧品は、風邪を引いた時の風邪薬のようなもの。風邪が治っても薬を飲み続けることはありませんよね。
ニキビ用化粧品やニキビ薬を使って、肌の状態が良くなったと感じたら、普通肌向けのお手入れに変えてみましょう。
【市販のニキビ薬 おすすめ】
大人ニキビと付き合っていくには、知識と生活を「整える」ことが第一歩です。
ネット上にも、大人ニキビの情報はあふれていますが、今自分がどんな方法を採用して、何をやっていないのか、把握することから始めましょう。
それには、はじめからいろいろな方法に手を広げすぎないこと、慌てないことが大切です。
じっくり肌をいたわって、自分にとって一番気持ちのよいスキンケアを見つけてくださいね。
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