土鍋の優れた特徴と手入れの方法

2021年9月8日

水炊きをはじめとしたさまざまな「鍋」料理やこだわりの炊飯をする際に登場する土鍋。でも、あまり知られていませんが、実は土鍋はそれらの料理にとどまらず、煮物や肉を焼くなどさまざまな料理にも力を発揮する、万能ともいえる調理器具なのです。

ここではそんな万能の力を発揮する土鍋の特徴と基本的なお手入れの方法、さらに一般的にはあまりイメージされない土鍋の「鍋」料理・炊飯以外の使い方についてまとめました。

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土鍋の優れた特徴

遠赤外線効果

土鍋は、温まると遠赤外線を発するという特性があります。

遠赤外線を発する調理器具としては炭火やセラミックが思い浮かびますが、土鍋も加熱されると土鍋自体が熱を蓄え、食材の芯までじんわりと火を通すことができるのです。

炭火と同じ効果と考えると、料理もやはりおいしく仕上がりそうですね。

細かくやさしい気泡が出る

土鍋を触ってみるとわかりますか、表面がざらざらしていますよね。実際、土鍋の表面を拡大してみると、細かな穴がたくさんあいていることがわかります。

そして、このような穴のおかげで、水を入れて沸騰させたとき、細かくやさしい気泡が出ます。そして、その細かな気泡によって中の食材が動きにくくなり、煮崩れを防ぐ効果があるのです。

余熱調理

土鍋はいったん温まると冷めにくいので、余熱で調理をすることもできます。

余熱調理を使う場面というと、鍋の締めの雑炊を作るときなどが思い浮かびますが、その他煮物を調理する場合などにもこの特徴を生かすことができます。

食材にちょうど良い加熱温度

多くの食材は、酵素の働きの関係で40度~60度のときに最もうまみが増すといわれています。

土鍋は鍋肌が厚いため、加熱するときにゆっくり温まります。そのため、熱伝導が良い鍋と比べて食材が40度~60度になっている時間が長く、じっくりとうまみ成分を引き出すことができるのです。

土鍋の手入れ方法 これだけは知っておきたい

以上のように、さまざまな長所を持つ土鍋ですが、反面手入れが難しく扱いにくいのではないかとの印象を持っている人も多いようです。

しかし、ちょっとしたことに気を付けるだけで土鍋は思ったよりも簡単に扱うことができるのです。

これだけはNG 土鍋取扱いの基本

土鍋はその名の通り土でできているので、金属の鍋と同じように使ったらやはりすぐに割れてしまったりします。

基本的にやってはいけないことを挙げておきましょう。

外側が濡れた状態で火にかけない

一番失敗しやすいのがこれです。

土鍋の外側が濡れている時に火にかけると、土鍋が割れてしまう危険性があります。

洗ってすぐに火にかけるのは当然NGですが、濡れたと見ろにおいてしまった土鍋をうっかり火にかけてしまっても同じ危険があるので注意しましょう。

また、土鍋を洗った際は鍋底に一番水分が残りやすいので、ひっくり返してなべ底を上にして乾燥させる習慣にするといいでしょう。

温まった土鍋を急に冷やさない

急激な温度変化で割れる危険があります。

とくに使い終わった後洗うときは気をつけましょう。

空炊き厳禁

中身に水を入れないで火にかけると割れます。

また、土鍋が熱くなった後空炊きに気づいて急に水を入れると、やはり割れます。

土鍋に中身を長時間入れておかない

土鍋の表面には細かな穴がたくさん開いています。そのため、食材を入れたままにしておくと食材の臭いを吸ってしまいます

また、同じ理由で洗剤で洗うとやはり吸収してしまうので、洗う際洗剤は使わないようにしましょう。

初めて土鍋を買ったとき

土鍋の表面にある小さな穴は、調理する際にいろいろな効果を発揮しますが、新品の状態ですぐ調理に使うと食材のにおいを吸いすぎてしまったり割れやすくなったりします。

そのため、新しい土鍋には最初米のとぎ汁を入れてひと煮立ちさせましょう。そうすることで土鍋の小さな穴を埋めてくれます。これを行った後、一度乾燥させてから使い始めるのが基本です。

なお、米のとぎ汁がない場合は小麦粉を水に溶いたものでも構いません。

土鍋にひびが入ったら…

土鍋にひびが入って、そこから水が染みるようになってしまっても、直す方法があります。方法は簡単。残りごはんでお粥を作るのです。こうすることでご飯のデンプンがひびを埋めてくれます。

なお、このような場合お粥を入れたまま一晩置いておくとより効果的です。

焦げ付いてしまったら

焦げ付いてしまっ時は、土鍋に水を入れて沸かせば大体は取れます。

なお、土鍋が熱い状態で水を入れると、先にも述べたとおり割れる危険があるので、土鍋を冷ましてから水を入れてくださいね。

土鍋を使った調理法

蒸し料理

土鍋に水とすのこを入れ火にかけます。

蒸気が出てきたら食材をすのこの上に並べ、蓋をします。再度蒸気が出てきたら出来上がりです。

色々な野菜を蒸すホットサラダなどを作ることができます。

燻製

土鍋の底にアルミホイルを敷き、燻製用のチップを入れます。火にかけて10分弱中火で加熱します。煙が出てきたら、火は消します。網にのせた食材を載せ、蓋をします。

この際、土鍋にすっぽり収まる網があるのなら、土鍋の蓋のまわりに少量の水をたらせば煙が逃げません。蓋がしっかり閉まらない状態のときは、アルミホイルなどで煙が逃げないように覆いましょう。その後、30分程度放置すれば完成です。

煮物

普段の煮物を土鍋で調理するだけです。

余熱調理をうまく使うとより良いです。ただし、食材を長時間入れっぱなしにはしないように注意しましょう。

以上のように、土鍋にはいろいろな使い方があります。

ちなみに、最近では100円ショップでも1人用の土鍋なども売っています。そのようなものでも十分使えますので、いろいろと試してみてください。