除夜の鐘にはどんな意味があるの?

2015年12月14日

大みそかの過ごし方と言えば、こたつに入って紅白を見るに限ります。

紅白も終盤にさしかかってくると、どこからともなく除夜の鐘が聞こえてきます。

なんとも心があらわれるような不思議な音色に耳を傾けながら、その年の反省と来年の抱負について考えるのもいいかもしれませんね。

※なお、除夜の鐘を参拝者に無料でつかせてくれるお寺もあります。こちらの記事も併せてごらんください。

除夜の鐘をついてみよう!! 東京で無料でつけるお寺紹介

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除夜の鐘の意味は?

「除夜」とは?

では、除夜の鐘の「除夜」とは何か知っていますか?

日本語の意味としても「除」という漢字には、何かを取り除くというような意味が含まれています。つまり除夜とは「今年の負のオーラを取り除くための夜」という意味になるわけです。

108つの煩悩

仏教用語で負のオーラのことを「煩悩」と言います。

煩悩の数は108個あって、それは鐘を一回つくごとに一つが消えると言うのは私たちが知っている通りです。

「え!?負のオーラって108個もあるの?」とお思いの方もたくさんおられると思います。

仏教の世界における108とは、具体的に108個あると言う意味ではなく「ものすごくたくさん」という意味で使われています。

鐘

たくさんある煩悩

そのように、たくさんある煩悩は主に、人間の執着心からなる物欲、金銭欲、色欲などを表し、清らかな心を邪魔する厄介者とされます。

例えば、最愛の人を愛する行為でさえ、ある種の執着心であると考えられるために、それを取り払うのは非常に困難なものであると言えるのです。

また、仏教の世界では心に煩悩が残っている状態では、死後に天国に行けなくなると信じられているため、僧侶はそれを完全に捨て去るために毎日厳しい修行をしているということになります。

ここで除夜の鐘は、そのような厳しい修行を積んでいない庶民でも、簡単かつお手頃に煩悩を消すことが出来るということで、これまで信仰の対象とされてきたようです。

厳しい修行をしなくても救ってあげるなんて、仏様というのは何とも太っ腹なものですね。

大切にしていきたい除夜の鐘の習慣

そんな、とんでもなく有難い除夜の鐘も、一部の人にとっては迷惑となっている場合があるようです。

お寺や神社の一部近隣住民にとっては「騒音」でしかないと感じる人もいるとか。

お正月の「お」の字もないような生活をしている人には、ただのやかましいだけの音というのは分からなくもありません。

しかしながら、自分は一応日本人であるという自覚を持ちましょう。

大昔の風習が現代にも息づいていると言うのは、その時代その時代で多くの人の信仰を集めてきたためと言えます。そのような伝統的な祭事に取り組むことによって、日本人としての格式を守れると考えてみてはいかがでしょうか?

除夜の鐘は完全なる日本のオリジナル文化の一つです、これを後世に伝えられるか否かは私たち現代人にかかっているのです。