【保存版】「純米」と「吟醸」はどう違う?日本酒・焼酎の現代的な楽しみ方と特定名称酒の基礎知識

日本酒 雑学
日本酒

金曜日の夜、久しぶりに訪れた居酒屋のカウンター。 少し照明が落とされた店内で、あなたは手渡されたメニューを開きます。そこには、達筆な文字でずらりと並ぶ銘柄たち。

「純米大吟醸」「特別本醸造」「山廃純米」……。

名前の響きは美しいけれど、正直なところ、どれが自分の今の気分に合うお酒なのか自信がない。とりあえず「おすすめ」を聞いてみるのもいいけれど、もし自分で、料理に合わせて最高の一杯を選べたなら、この時間はもっと豊かになるはずだ——。

そんなふうに思ったことはありませんか?

お酒の世界、特に日本酒は、知れば知るほど奥深い「物語」があります。今回は、メニュー選びで迷わないための地図となる「特定名称酒」の違いと、そこから広がる「日本酒・焼酎」の現代的な楽しみ方について、紐解いていきましょう。

「特定名称酒」という名の羅針盤

ラベルに書かれた「特定名称酒」という言葉。難しく聞こえますが、実はこれ、お酒のプロフィールそのものです。 日本酒は大きく分けて「普通酒」と「特定名称酒」に分類されますが、私たちがこだわりを持って選びたいのは後者。

特定名称酒を見分けるポイントは、たったの2つだけ。「原材料」と「精米歩合(せいまいぶあい)」です。

1. アルコール添加の有無:純米か、そうでないか

まず、一番大きな分かれ道は「醸造アルコール」が入っているかどうかです。

  • 純米酒系(純米、純米吟醸、純米大吟醸) 米と米麹、そして水だけで造られたお酒。米本来のふくよかな旨味やコクがダイレクトに感じられます。「炊きたてのご飯」のような安心感と力強さがあるのが特徴です。
  • 本醸造・吟醸系(本醸造、吟醸、大吟醸) 規定量の醸造アルコールを添加したもの。「アルコール添加=カサ増し」というのは昔の誤解。現代においては、香りを引き立たせたり、味わいをキレ良く軽快にするための高度な技術です。スッキリとした後味が好きな方におすすめです。

2. 精米歩合:どれだけ磨いたか

次に注目するのは「精米歩合」。玄米を削り、残った中心部分の割合を指します。

  • 吟醸・純米吟醸:精米歩合60%以下(4割以上削っている)
  • 大吟醸・純米大吟醸:精米歩合50%以下(半分以上削っている!)

お米の外側にはタンパク質や脂質が含まれており、これらは雑味の原因にもなりますが、旨味の元でもあります。 たくさん削れば削るほど(数字が小さくなるほど)、雑味が消え、果実のような華やかな香り(吟醸香)が生まれます。逆に、削りすぎないお酒は、米の野性味や複雑な旨味を楽しめます。

タイプ別・現代的な楽しみ方とペアリング

基礎知識という「地図」を手に入れたところで、具体的な楽しみ方へと旅を進めましょう。 最近では、和食だけでなくフレンチやイタリアン、中華など、ジャンルを超えたペアリングが「日本酒・焼酎」の現代的な楽しみ方として定着しています。

◆ 純米酒 × 温度変化と濃い味付け

米の旨味が強い「純米酒」は、食中酒の王様です。 現代的な楽しみ方の提案はずばり、「温度を変えること」。冷酒で飲んでいたものを、途中から「ぬる燗」にしてみてください。温度が上がると米の香りが開き、豚の角煮や焼き鳥(タレ)、チーズを使った料理など、油脂分のある濃厚な味付けの料理と驚くほどマッチします。

◆ 吟醸・大吟醸 × ワイングラスと前菜

フルーティな香りが命の「吟醸系」は、ぜひワイングラスで楽しんでみてください。 お猪口よりも香りが立ち上がりやすく、口に含むと舌全体に味わいが広がります。白身魚のカルパッチョや、ハーブを使ったサラダ、フルーツを使った前菜などと合わせると、まるで白ワインのようなエレガントなマリアージュが生まれます。

◆ 本醸造 × 日常の晩酌とアテ

キレの良い「本醸造」は、飲み飽きしない最高のパートナー。 気取らずにコップ酒で、冷奴や焼き魚といったシンプルな和食と合わせるのが粋です。口の中の油分をサッと流してくれるので、揚げ物との相性も抜群。毎日の晩酌に寄り添ってくれる頼もしい存在です。

日本酒

知識は最高のおつまみになる

「これは純米だから、米の旨味がしっかりしているはず」 「大吟醸だから、まずは香りを楽しんでみよう」

そう思いながら口にする一杯は、何も知らずに飲む一杯とは味わいの深さが違います。背景にある造り手のこだわりや、ラベルの意味を理解することは、それ自体が最高のおつまみになるのです。

また、今回は日本酒の特定名称酒にフォーカスしましたが、この「素材と製法を知って楽しむ」という視点は、焼酎選びにも通じます。芋、麦、米といった原料の違いや、蒸留方法による風味の違いを意識することで、あなたのお酒ライフはもっと自由で楽しいものになるでしょう。

今夜は、覚えたての知識をポケットに入れて、あの一本を選んでみませんか?

タイトルとURLをコピーしました