西条祭りの歴史と見どころ

2015年12月13日

スポンサーリンク

西条祭りとは

西条祭りは、愛媛県西条市で毎年10月中旬に行われる祭りです。

だんじり(屋台ともいう)、みこし、太鼓台を神社に奉納する祭りで、嘉母神社、伊曽乃神社、石岡神社、飯積神社での祭礼を指します。中でも伊曽乃神社は規模が大きく、約80台のだんじりが奉納されます。

西条祭りの特徴は、普通曳いて動かすだんじりを、舁き棒(かきぼう)で担ぎ上げるところです。だんじりを担ぐ人を舁き夫(かきふ)と呼び、10~15人で500~800kgのだんじりを担ぎます。計算すると、1人当たり約50kg担いでいることになります。だんじりには、透かし彫りが施されており、その絵柄は時代絵巻になっています。この透かし彫りも、西条祭りの見どころの一つです。

また、だんじりや屋台には提灯がついています。これが夜になるとたいへんきれいな明かりとなります。特に伊曽乃神社では、約80台のだんじりの提灯が美しく灯り、これが西条祭りが「豪華絢爛」と言われる所以とも言えます。

 

西条祭りの歴史

西条祭りの歴史は、現在文献として始まりを確認することはできていませんが、江戸時代、吉祥時の住職が誉田八幡社の藤だんじりを見て、竹で似たものを作り花籠だんじりを奉納したことが始まりだと言われています。それが後々伊曽乃神社等の近隣の神社にも広まったようです。江戸時代から現在に至るまで、約300年続いている、非常に伝統ある祭りと言えます。

西条祭りでは、太鼓等に合わせて唄われる唄が幾つかあります。この歌は、だんじりや屋台の運行を疲れないようにしたり、酒気の発散をしたりするためと言われています。その歌の中で有名なのが、「伊勢音頭」です。ぜひ聞いてみてください。

伊勢音頭(西条まつりばやし)

伊予のナーエ 西条の名物名所 アラヨーイヨイ
伊曾乃まつりにヤンレ 武丈桜
ササヤートコ セノヨイヤナ ハリワイセ コリワイセ ササナンデモセ

西条ナーエ 伊曽乃のまつりの日には アラヨイヨイ
屋台かく人ヤンレ 勇ましや
ササヤートコ セノヨイヤナ ハリワイセ コリワイセ ササナンデモセ

伊予のナーエ 西条は紀州のわかれよ アラヨイヨイ
三葉葵のヤンレ 紋所
ササヤートコ セノヨイヤナ ハリワイセ コリワイセ ササナンデモセ

らいん

西条祭りの見どころ

伊曽乃神社祭礼の見どころ

西条祭りは、実際は4つの神社の別々の祭礼を合わせたものですが、その中で最大の規模を持つのが伊曽乃神社の祭礼です。他の3つの神社の祭礼より、かなり広い地区の人々が参加しており、また西条市の中心部で行われているという特徴があります。

10月14日午後

祭礼開始前だが、多くの屋台が町内周辺を廻ったりJR伊予西条駅前に集まり、盛り上がる。

10月15日午前0時~ 宮出し

各地区のだんじりが伊曽乃神社に集まり、ご神体を迎える。祭りのはじめだが、熱気はピークを迎える。提灯に照らされただんじりが美しい。明け方になるとだんじりは各地区に帰っていき、その後は自由行動となる。

10月16日午前0時~ 練り

御旅所にすべてのだんじり・屋台などが集まってきて練り(「かきくらべ」「差し上げ」などをする)を奉納し、盛り上がる。明け方になると統一運行にて御殿前に向かう。

10月16日夕方 宮入り(川入り)

各だんじりが加茂川河川敷に集合し、神輿と11台のだんじりが川の中でもみ合う。祭礼のクライマックス。神輿が川を渡ると祭礼は終わるが、だんじりは駅前や御殿前に繰り出すものもある。

石岡神社祭礼の見どころ

伊曽乃神社より早くからだんじりが奉納されたとの伝承がある石岡神社の祭礼は、現在も昔ながらの趣を残した西条祭りの姿を見ることができるといわれます。

10月14日未明~

各地区のだんじりが未明から神社に集まってきて、一斉にかきくらべを奉納する。その後、午前9時から本殿祭が行われるが、その後は各だんじりは自由行動となる。

10月15日未明~

各地区のだんじりが集まって一斉にかきくらべを奉納する。その後早朝に御旅所に向かい、かきくらべをした後氏子の地域を廻る。午後3時すぎ頃から、再度神社に到着し、最後のかきくらべをした後、神輿の宮入りで終了する。

秋には、ぜひ豪華絢爛な西条祭りのだんじりの美しさを見に、愛媛に出かけましょう。