おせち料理の意味と由来について

2015年12月14日

お正月に欠かせないおせち料理。

さまざまな料理を重箱に詰めてある、目にも楽しい料理ですが、若い人にはなじまない味付けにもなってきているようで、おせちを食べない、作らないご家庭も増えています。

でも、おせち料理には長い歴史があり、入っている料理にもさまざまな意味があるのです。

新しい料理で新年を祝うのも楽しいものですが、今一度、おせち料理の意味を見なおしてみませんか?

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おせち料理=御節料理

門松

おせちは「御節」と書きます。文字の通り、節目の料理。昔の暦の重要な節目である1月1日の元旦と「五節供(節句も同じ意味)」の「節日(せちにち)」に食べられていたものでした。

「五節供」とは平安時代の暦で1月7日の「人日」、3月3日の「雛祭り」、5月5日の「端午の節句」、7月7日の「七夕」、9月9日の「重陽の節句」を指します。

節供とは神様への供え物という意味もあり、御節は「御節供(おせちく)」とも呼ばれていました。自然の恵や収穫に感謝して、神様への供え物を料理したものも「節供」と呼んだのです。

この節目ごとに食べていた「節供」の料理が御節料理の元ですが、元旦のごちそうを指すようになったのは江戸時代のことで、その内容も江戸時代の武家作法を色濃く反映していると言われています。

これらの由来から、本文では、以降、おせち料理は「御節料理」と表記することにします。

御節料理はなぜ重箱?

おせち料理

現在では、重箱に詰められた御節料理が一般的ですが、この形になったのは、明治時代以降と言われています。

「節供」が始まった当初は、お膳に乗せて飾るだけのものでした。

江戸時代になって、関東では「食積(くいつみ)」、関西では「蓬莱飾り」と呼び、三方(鏡餅を飾る台ですね)などに飾ったごちそうを、家族で食べたりお客に振る舞ったりするようになりました。

その後、床の間に備えるための「食積」と、実際に食べるための重箱との2種類が用意されるようになり、だんだんと重箱のみの文化へと移行していきました。

重箱を重ねるのは「幸せを重ねる」という意味があり、また正月の間中食べるごちそうを、場所を取らず、ほこり等の心配なく保存する実用的な意味もあったようです。

現在の一般家庭では3段重が多いですが、本来は4段重が正式です。

上から「一の段」には黒豆、数の子、ごまめなどの酒の肴になる「祝い肴」、「二の段」にはきんとん、かまぼこなど「口取り」、「三の段」にはぶりや鯛、海老など海の幸の「焼き物」、「与の段」(四は不吉な漢数字として使われません)には煮染めなど「煮物」を詰めます。

おせち料理 それぞれの料理の意味

先の見通しの良くなる「れんこん」や、「喜ぶ」と「よろこんぶ」を掛けた「昆布巻き」、マメに働けるように、また魔除けの意味も持つ「黒豆」など、御節の料理にはそれぞれ意味があります。

中でもあまり知られていないものをピックアップしてみました。

伊達巻

黄色が金色につながるということでめでたさを演出する伊達巻。

そもそも「伊達」とは派手好みを意味しますが、伊達の由来である伊達政宗とは関連がないようです。

その由来には諸説あってはっきりしないのですが、「巻」が「巻物」=書物に通じるということで、知識や文化の発展を祈願した食べ物という説が説得力がありそうです。

鰤(ぶり)

海の幸として欠かせないぶりの由来は大きさによって名前が変わる「出世魚」であること。商売繁盛、出世のご利益を祈願したメニューです。

焼いたものがほとんどですが、信州の一部地域ではぶりの煮付けを正月料理として食べるところもあります。

かまぼこ

【飾りかまぼこの作り方】

現在のような板付きの形になったのは桃山時代のことですが、その形状が日の出を思わせること、紅白の色が縁起が良いとされます。

江戸時代、庶民が御節料理を食べるようになった頃には、鯛などの高価な白身魚の代替品としても用いられました。

手綱こんにゃく

煮染めに入れる手綱こんにゃく。短冊状に切ったこんにゃくの中心に切り込みを入れ、一方の端を切り込みにくぐらせるとあの形になります。

武士が乗馬に用いる手綱をかたどったもので、武運長久を祈る武家社会の文化の名残と言われています。

なます

【紅白なますの作り方】

大根とにんじんの紅白で作る酢の物「紅白なます」。材料を千切りにするところから、お祝いに用いる「水引き」をかたどったものとされています。

栗きんとん

【栗きんとんの作り方】

ご家庭では、さつまいものペーストに栗の甘煮を入れたものが多いですが、全て栗で作るレシピもあります。

茶巾絞りにしたお菓子の「栗金飩」とは違うもので、御節のきんとんは「金団」と書き、金の団子、または金の布団をイメージした縁起物です。

 

冒頭でも書きましたが、御節料理はかなり甘い味付けのものが多く、最近では敬遠されがちです。昔は砂糖が貴重品であったことが関係しているようです。現代風にアレンジされた御節料理も増えていますね。

御節料理は普段料理で忙しい女性にお休みしてもらい、ねぎらうしきたりであるとともに、神様をお迎えする新年に、台所を騒がせず、清く静かに保つための料理という意味もあります。

そのぶん年末が忙しいのですが、お正月を心安らかに過ごすため、またお客様と楽しく過ごすために、作ってみてはいかがでしょうか。