ホームパーティーのテーブルに並ぶのは、熱々のマルゲリータピザに、熟成されたコンテチーズ、そして生ハムの盛り合わせ。 さて、ここで合わせるお酒と言えば?
十中八九、「赤ワインか白ワイン」という答えが返ってくるでしょう。 しかし、もしあなたがここであえて「日本酒」や「焼酎」のボトルを開けたなら。最初は驚かれるかもしれませんが、一口飲んだ後、ゲストたちの表情は「驚き」から「感嘆」へと変わるはずです。
「お刺身や焼き魚に合わせるもの」という固定観念を外し、国境を超えた美食の冒険へ出かけましょう。今回は、和食以外(チーズやイタリアン)とのペアリングを通して、「日本酒・焼酎」の現代的な楽しみ方をご提案します。
なぜ、日本酒とチーズは「運命の相手」なのか?
実は、日本酒とチーズの相性の良さは、科学的にも証明されています。 キーワードは「発酵」と「アミノ酸」です。
ワインはブドウ(果実)から造られますが、日本酒はお米(穀物)から造られます。チーズもまた、ミルクを発酵させて造る食品。日本酒とチーズは、同じ「発酵食品」というルーツを持ち、どちらも旨味成分である「アミノ酸」を豊富に含んでいます。

口の中でチーズの濃厚なコクと日本酒のふくよかな旨味が重なると、互いの味わいを打ち消すことなく、爆発的に旨味が増幅するのです。これを「旨味の相乗効果」と呼びます。
おすすめのペアリング例:
- クリームチーズ × 芳醇な純米酒 滑らかなチーズの油脂分を、純米酒のコクが包み込みます。酒盗(しゅとう)を乗せたクリームチーズなら、もはや無敵の組み合わせです。
- ブルーチーズ × 古酒(長期熟成酒) クセの強いブルーチーズには、紹興酒やシェリー酒にも似た熟成香を持つ「古酒」を。蜂蜜をかけるような感覚で、濃厚なマリアージュを楽しめます。
イタリアン×日本酒・焼酎の「現代的な」方程式
トマトソースの酸味、オリーブオイルの香り、肉料理のジューシーな脂。イタリアンにはワインが鉄板ですが、ここにも日本酒や焼酎が入り込む隙間は大いにあります。
トマトの酸味には「酸」のある日本酒を
最近のトレンドである「白麹(しろこうじ)」を使った日本酒や、リンゴ酸を多く生成する酵母を使った日本酒は、白ワインのような爽やかな酸味を持っています。これが、トマトソースのパスタやカプレーゼと絶妙にマッチします。ワインよりも酸味が穏やかなため、「ワインの酸っぱさが苦手」という方にも喜ばれる現代的な選択肢です。

ピザや肉料理の脂を流す「焼酎ソーダ」
こってりとしたチーズたっぷりのピザや、豚肉のグリル。口の中が脂でいっぱいになった時こそ、本格焼酎のソーダ割りの出番です。 特に、芋焼酎や麦焼酎のソーダ割りは、蒸留酒特有のドライな飲み口と炭酸の刺激で、口の中の油分をサッパリと洗い流してくれます(ウォッシュ効果)。
ビールやハイボールも良いですが、焼酎ならではの「素材の香り」が、料理のスパイスやハーブの香りと共鳴し、より立体的な味わいを生み出します。例えば、ハーブの効いたサルシッチャ(ソーセージ)に、スパイシーな香りの芋焼酎を合わせる。これは一度体験すると癖になる組み合わせです。
「合わせる」のではなく「発見する」楽しみ
「和食には日本酒」というルールは、もう過去のものです。 自分の好きな料理と、好きなお酒を合わせてみる。 「ミモレットチーズをかじりながら、ぬる燗を飲んだらどうなるだろう?」 「ジェノベーゼパスタに、爽やかな米焼酎を合わせてみようか」
そんなふうに、自由な発想でペアリングを試すことこそが、「日本酒・焼酎」の現代的な楽しみ方の真髄です。失敗を恐れずに、あなただけの最高の組み合わせを見つけてみてください。食卓での会話も、きっと今まで以上に弾むことでしょう。
