彼岸に渡るために必要な修行「六波羅蜜」とは?

2015年12月13日

六波羅蜜とは、この世に生かされたまま、仏様の境涯に到るための六つの修行をいいます。布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧の六種の修行があります。波羅蜜とは「悟りの世界である彼岸に到る」ことで、生きて成仏するための修行です。

仏教の教えである六波羅蜜は毎日心がけるべきものですが、それをやるのは大変むずかしく、彼岸のときだけでも実践しようということもあります。

なお、お彼岸についてはこちらも参照してください。

布施

布施は、さまざまな施しをさせて頂く修行のことです。眼施(がんせ、優しい眼差しで人に接する)、和顔施(わがんせ、和やかな明るい顔で人に接する)もその修行に入ります。

持戒

持戒は、戒律を堅固に守ることをいいます。代表的な戒に五戒・十戒があります。
五戒律は、

  1. 不殺生、生き物をみだりに殺してはならない、
  2. 不偸盗、盗みを犯してはならない、
  3. 不邪淫、道ならぬ邪淫を犯してはならない、
  4. 不妄語、嘘をついてはならない、
  5. 不飲酒(ふおんじゅ)、酒を飲んではならない、

の5項目です。

この五戒律に次の五つの戒律が加わったものを十戒律と呼んでいます。

6、不説四衆過罪、他人の過ちや罪を言いふらしてはならない、
7、不自賛毀他、自分を誉め、他人をくだしてはならない、
8、不慳貪、物おしみしてはならない、
9、不瞋恚(ふしんに)、怒ってはならない、
10、不謗三宝(ふぼうさんぼう)、仏様の教えや仏法伝道の僧をくだしてはならない。

忍辱

忍辱(にんにく)は、瞋恚(しんに、自分に背くことがあれば必ず怒るような心)を対冶して、迫害困苦や侮辱等を忍受(にんじゅ)することです。少しのことでキレ易くなっている現代の人間には、特に必要なことだと思います。

精進

精進(しょうじん)は、懈怠(けたい)の心を対冶して、身心を精励して、他の五波羅蜜を修行することです。この精進ですが、「精」という言葉は「まじりけのない」という意味です。

禅定

禅定(ぜんじょう)は、心の動揺・散乱を対冶して、心を集中し安定させ、真理を思惟することです。「禅」とは「静かな心」、「不動の心」という意味です。「定」というのは心が落ち着いて動揺しない状態です。

智慧

智慧(ちえ)は、別名、般若(はんにゃ)といい、一切の諸法に通達して、愚痴の心を対冶し、迷いを断ち、真理を悟ること、または諸法の究極的な実相を見極めることをいいます。