十日戎とは? どんな行事やご利益があるの?

2021年9月8日

皆さんは十日戎という言葉を聞いたことはありますか?

東日本の方にとっては全くと言っていいほど知名度のない言葉です。

読み方は「とおかえびす」で、1月10日前後に七福神の一人の恵比寿様に商売繁盛を願うイベントを指す言葉です。西日本では非常に一般的なものとなっています。

参拝客は縁起物の福笹を購入します。

福笹は野の幸、山の幸、海の幸を表現した小宝とばれる飾りがついた笹のことで、これを職場に飾れば商売繁盛につながると言われています。

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 西宮神社の十日戎

兵庫県の西宮神社は「えべっさん」の総本社ともいわれます。その十日戎も「西宮えびす」と呼ばれるほど有名です。

西宮神社では元日から恵比寿様に対するお祈りが始まり、1月10日に本えびすを迎えます。

開門神事福男選び

このとき、有名なのが「開門神事福男選び」ですね。

福男とは本えびすの午前6時に、表大門をくぐり、およそ230メートル離れた本殿まで走り、一番から三番までの男をその年の福男として定めるイベントです。

福男には認定証や副賞が贈呈されるため、商売繁盛よりもむしろ、足に自信がある人が集まるイベントとなっています。

そのため近隣住民は十二月末ごろになるとウォーミングアップのため、市内にマラソンランナー姿で走り回る人の数が異常に増えるとか。

招福大マグロ

また、近年始まった習慣ですが、1970年以降十日戎を前に西宮神社には大漁と商売繁盛を祈って毎年大きなクロマグロが奉納されます。

このマグロは「招福大マグロ」と呼ばれ、このマグロに賽銭を貼り付けると金運が良くなるといわれ、毎年多くの参拝客が訪れます。

このマグロは、十日戎前の8日頃から、十日戎が終わる11日夜まで拝殿に飾られます。

大阪今宮戎神社の十日戎

大阪の今宮戎神社では、お正月になると本殿の前には参拝客が溢れ、お賽銭が飛び交うことになります。

このとき、賽銭箱に入り損ねたお賽銭を拾う者にはバチが当たるとされています。

たしかに、神様がお金に汚い人に福を与えるとは考えられません。拾いたい気持ちを我慢してその場を去ることが正しい商人の有り方なのでしょうか?

もしくは、神社側の利益として、本来入るはずだったお賽銭を持っていかれてしまっては利益にならないからという理由なのかもしれません。

私たちは神様に対してお金を投げ入れているのです。しかし、1円たりとも神様に届くことはなく、神社の従業員の給料となることは言うまでもありません。私たちは出来るだけそれを考えないようにしていますね。

その辺のジレンマに文句を言う人には神様は福をくれない、と思って納得しましょう。

その他

現在、今宮戎神社では十日戎に奉仕するための「福むすめ」を募集しているようです。

年齢は18~23歳の方、巫女衣装を着てみたい方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。心から信仰に厚い女性にとってはなお良いでしょう。

ところが、この募集は毎年大人気なようで、厳しい書類審査や面接があるようです。

少しでもやましい心がある人物では、一発で見抜かれてふるいから落とされることは間違いないでしょう。神職は心の清らかな人だけがやるべきですよね。