立春大吉って何? どんな意味があるの?

2021年9月8日

「立春大吉」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

立春の日に、お寺では「立春大吉」と書いた御札を門に貼り、厄除けにすることがあります。いったいどういう意味があるのでしょうか?

その詳しい内容はわからないことも多いもの。立春と、立春の日に行うと良いと言われている習慣について調べてみました。

スポンサーリンク

立春とは?

カレンダーにある「立春」とはどんな日なのでしょうか。

通常は2月4日ごろで、節分の翌日に当たります。これは「二十四節気(にじゅうしせっき)」という昔の暦から来たものです。

江戸時代まで日本で利用されていたカレンダー「太陰太陽暦」は月の満ち欠けを基準に太陽の動きも考えあわせたものでしたが、実際の季節とのズレが修正しきれませんでした。そこで、実際の季節を示す暦として「二十四節気」が生まれました。

昔の人は、地球が丸い天体の一つであると考えず、天が丸い球体「天球」であると考えていました。その天球上を太陽が一周する期間を「一太陽年」とし、これを24に分けて季節を表す名称をつけたものが「二十四節気」です。その最初の日が「立春」で、その後の一定の時期も立春と呼びました。

一太陽年の中では、冬至と春分の中間点にあたります。「寒さが底をつき春が始まる日」という意味合いもあります。

立春と「お札」

立春の日の早朝、禅宗の一派曹洞宗のお寺では、門に「立春大吉」と書かれたお札を貼ります。檀家(そのお寺にお布施を納める家)にも配り、同様に玄関に貼ります。厄除けの習慣なのですが、なぜ「立春大吉」が厄除けになるのか?

「立春大吉」の文字を、縦書きにしてよく見てみてください。左右対称になっていますね。表から見ても裏から見ても、同じように読めます。

昔、鬼が玄関から入ろうとした時、立春大吉の御札を見かけました。門をくぐって振り返ると、同様に立春大吉の文字。鬼は「まだ門をくぐっていなかったのか」と勘違いして、外へ出てしまいました。

この言い伝えから、立春大吉の御札を貼っていると、一年を無事に過ごすことができるという意味を持つようになったと言われています。

立春大吉のお札はどのように貼ったらいいの?

一説には、表玄関に向かって右側に貼るか、玄関の内側であれば左右のどこか、いずれも目線の位置、目に入りやすい高さに貼ります。

また家の鬼門(北東)にあたる位置に貼ることもあります。

鬼によく見えるように、という意味なのでしょうね。

立春大吉のお札はどこでもらえるの?

曹洞宗のお寺で作っているものですが、前述したように檀家に配るだけで、一般向けには配っていないお寺がほとんどです。

ただ、愛知県の南知多町にある、神光山成願寺では、お札を郵送で送ってくれます。

また、自分で書いて貼るお家も多いようです。

立春の習慣は他にもある?

日本酒の蔵元では、立春の朝に搾ったお酒を地元の神社でお祓いしてもらい、その日のうちに客に届けて飲んでもらう、という習慣があります。それを立春の朝搾りといいます。

【立春の朝搾り】

また、暦の大元である中国では、立春の日に春餅(チュンビン)という食べ物を食べます。これは、小麦粉を水で溶いて薄く焼いた柔らかいもので、肉や野菜、炒めた卵などを包んで食べるものです。

伊勢の赤福では「立春大吉餅」というお餅を販売します。

こちらは、黒大豆とこし餡を餅生地で包んだ白い餅と、大豆とこし餡を餅生地で包んだものにきなこをまぶした2種類の餅菓子がセットになっています。

前日の節分に豆をまき黒豆を食べる習慣から、「一年をまめに過ごせるように」と豆大福を売りだしたものです。

立春は「旧正月」と言われることも多いのですが、旧暦の正月は、月の満ち欠けによって決められており、立春前後の新月の日にあたります。

旧暦の日付の区切りが1月1日、二十四節気による季節の区切りが立春、とおぼえてくださいね。

※節分・豆の木に関する情報はこちらもご覧ください。

節分・豆まき情報【まとめ】