川越祭りの歴史とおすすめ観覧スポット

2015年12月13日

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川越祭りとは

小江戸」と称される埼玉県の川越。江戸時代、川越藩の城下町として栄えた都市です。関東大震災や戦災を免れたため、多くの歴史的建造物が残る、まさに歴史都市です。

その小江戸川越を舞台に、伝統的な「都市・江戸」の祭礼、「天下祭」の様式を現代に色濃く伝える祭礼が川越祭りです。

川越祭りは川越氷川神社例大祭と、その付け祭りとして行われる神幸祭(山車行事)を指します。毎年10月の第3土曜・日曜日に行われます。特に後者は国の重要無形民俗文化財に指定されており、毎年多くの観客が観覧に訪れます。

川越祭りの歴史

この神幸祭は、慶安元年(1648)に当時の川越城主松平信綱が氷川神社に神輿・獅子頭・太鼓等を寄進して祭礼を奨励したことに始まり、その後同4年(1651)から華麗な行列が行われるようになったそうです。

その後、元禄11年(1698)、川越氷川神社の氏子を構成している十ヶ町のうちの一つである高沢町が、江戸の祭礼に倣って初めて踊り舞台を取り入れ、その後江戸時代末期の天保15年(1844)には十ヶ町すべてが、縦長で上に人形を乗せる現在と同じ形の山車に統一されたようです。この時の十ヶ町の山車を描いた祭礼額が現在も川越氷川神社に宝物として残っています。

その後、平成17年(2005)に、江戸の天下祭の様式を伝える貴重な都市型祭礼であるとして、国指定重要無形民俗文化財に指定されました。

川越祭りの見どころとおすすめ観覧スポット

曳っかわせ(ひっかわせ)

祭礼中に交差点などで山車が出合うと、お互い競い合って囃子を行います。これを「曳っかわせ」と呼び祭礼の一番の見どころになります。

曳っかわせは、土曜日は19:00~21:00頃、日曜日は18:30~21:00頃に各交差点で見ることができます。

ただ、祭礼の一番の見どころであるため、曳っかわせには多くの人が押し寄せます。薄暗い時間に行われるものでもあるため、観覧には特に注意が必要です。

曳っかわせのときは、山車がしばらくその場所にとどまります。そのため、観客もできるだけ前で見ようと押し寄せてきます。しかし、しばらく囃子を競ったのち、それぞれの山車が移動を始めますが、その時観客は山車を避けようとどっと動くため、非常に危険です。無理をして前に出ようとせず、群衆に巻き込まれない安全な場所を確保することが第一です。

市役所前の山車巡行

土曜日は14:00~15:00頃、日曜日は12:40~16:30頃、川越市役所前に各山車が集まります。この時以外は各山車はバラバラに市内を巡行していますので、多くの山車を見たい人にはおすすめです。

宵山の山車揃い

土曜日の18:00~19:00頃、各山車は通りに止まって飾り置きされます。人出はありますが、市内各所に山車が分散されているのと山車が動かないので、比較的安全に観覧することができます。お囃子をじっくり聞きたい人などにおすすめです。

なお、山車の配置は毎年変わるようですが、会場で配布されている地図に掲載されているので、お目立ての山車がある方は地図をもらいましょう。

居囃子を楽しむ

山車を出さない町内の場合、通りに仮設舞台を設置して囃子を行うことがあります。これを居囃子といいます。舞台は山車より広いので、囃子や舞を楽しむには良いと思います。

 雨天の場合は?

ところで、もし雨天だった場合、川越祭りはどうなるのでしょうか。

実は、普通の雨で祭りが中止・延期になることはありません。実際、雨だった年もあり、各町の皆さんは合羽姿で山車を引いていました。さすがに雨天ですと観客は少なくなるようですので、逆にゆっくり祭りを見ることができる機会と考えることもできそうですね。

ただし、あまりにひどい雨の場合など、各町の判断で山車の巡行などを中止する場合もあるとのことです。

ともかく混雑する川越祭りですが、無理をせず安全に観覧したいものですね。