近年も相変わらず釣りブームは続いているようで、釣り場に行くと最近釣りを始めたと思われる方の姿もよく見かけます。
ネット上にも、そのような釣り初心者や新しいジャンルに挑戦しようという方向けの釣り入門的な情報や、釣り場情報・釣果情報などの情報があふれています。
ただ、長年釣りを愛好している立場からすると、時折「あれっ」と思う情報にも出くわします。
そこで、ここではネット上の釣り情報に向き合う際の心構えについて、気づいたことを書いておきます。
釣り入門情報について
釣りの門外漢が書いたサイト?
特に初心者向けに書かれた記事の中には、これって本当に釣りをしたことがある人が書いているのか、と疑問に思うサイトがあります。
確かにもっともらしいことは書いてありますが、何か違和感がぬぐえないのです。
これらのサイトの多くは、前半にそれぞれの釣りの特徴や釣り方、タックル(道具)の選び方についてまとめてあり、後半に具体的なタックルの情報がアフィリエイトリンク付きで並んでいるパターンが多いです。
しかし、釣り方についての記事は具体性がなく、またタックルの選び方で説明されていることと後半のおすすめタックル情報の間に齟齬があることも少なくありません。
もちろん、タックルはメーカーがその釣り用に開発したものを紹介しているので、そこに紹介されている道具で釣りができないわけではありませんが、恐らくこれらの記事は、ご自分の経験に基づいたものではなく、ネット上の情報をもとに、アフィリエイトのために作成されたものなのでしょう。
なお、このような記事はなぜか上位表示されていることも多いです。魚を釣るより読者を釣ることが得意なのでしょう。
環境によって正解は変わる
また、釣りは自然環境を相手にするものですので、どの場所でも同じパターンが再現できるわけではありません。
そのため、釣りの上級者であっても、その方の釣りをしている環境によって、タックルやルアー選び、釣り方など大きな差が出ます。
また、釣りをやりこんでいくと、それぞれの癖や好みも出てくるので、同じ釣種に対する説明でもかなりの差が出てくるわけです。
私が印象に残っている例では、ある方がシンキングペンシルのドリフト(潮などを使って横方向に流す釣法)について「私はほとんどリールを巻きません」と説明されていたのですが、それに対して「リールを巻かなかったら根がかりした。どうしてくれる」とコメントがついていたのです。
恐らく、説明者と読者の釣り場には、潮流や根がかりのしやすさなどの環境の違いがあったのでしょう。
有名な釣りのプロの話でも、一般化した入門的なお話をする場合、どのような場所を想定するのか個性があると思いますが、釣り経験が少ない人の場合なかなかそこまで読み取るのは難しいと思います。
実際の釣行に際しては、ネット上の情報だけを鵜吞みにするのではなく、ご自分の行かれる場所の近くの釣具屋さんなどで情報を聞いたほうがいい場合も多いと思います。
釣果情報について
SNSなとネット上では釣果情報も溢れています。
釣り人なら、あの場所で魚が釣れたと聞いたら行ってみたくなる気持ちはよくわかります。
でも、それらの情報、どれだけ信用できるのではょうか?
釣り船
船宿さんにとって釣果情報は、集客に直結する大事なものになります。
そこで、船宿さんが出す情報はかなり信頼性が高いといえるのではないでしょうか。
ただ、私は船釣りはやらないので、あまり実感して書いているわけではないです。
釣具店
釣具店も、魚が釣れているという情報は店舗の売り上げに少なからず影響するものなので、最近ではいろいろな方法で情報を集めて発信する傾向にあるようです。
しかし、これらの情報は、常連さんとの人間関係によって集まってくるところも多く、情報によって釣り人が集まり過ぎることによって常連さんたちに迷惑をかけるわけにもいかないため、少し時間を遅らせたり、具体的なポイントをぼやかして発信するケースが多いと思われます。
なお、ネット上ではなく、実際に店舗に出向き、ご自分からも釣果情報をお店に提供するようになると、より新鮮で具体的な情報をもらえるようになる場合もあります。
SNS
インスタグラムやX上で釣果情報を公開している方々もいます。
ただ、このような場で、具体的な釣り場がわかる状態でリアルタイムで釣果情報を公開することは、釣り場が荒れると言われて批判を招くことも少なくありません。
批判されず、上手に情報公開を続けているアカウントは、場所を上手にぼやかしたり時間をずらしたりしていることが多いと思いますが、ご自分と同じような場所をホームにしているアカウントを見つけたら、フォローしておくといいことがあるかもしれません。
釣果情報アプリ
最近では、アングラーズなどの釣果情報アプリで釣果情報を共有するケースも増えてきています。
ただ、これらに投稿している方の多くは釣り初心者と見受けられます。
たまに中級者の方でたくさん投稿されている方もおられますが、基本的に長年特定のポイントに通って釣りを楽しんでいる人にとって、自己顕示欲の充足以外、ここに情報を投稿するメリットが何もないからです。
むしろ、この投稿によって、週末釣り人の大群に襲来され、後にはゴミの山、という情景が日常茶飯事となっています。
もちろん、この投稿を見ることによって「今年もぼつぼつアオリイカが上がるようになってきたか」「小型回遊魚の回遊が始まったか」くらいの参考にはなりますが、大物の釣果情報を見て、自分も大物が釣れるかもと勘違いして押し寄せてきたり、もう来ない場所だからと荒らして帰るようなことはないようにお願いしたいです。
なお、上級者の方でも投稿されている方もいらっしゃいますが、上手に時期をずらしたり場所をぼやかしたりされています。
また、あえて別の場所に投稿されている方もいらっしゃるようなので、そういう点でも情報の受け取り方に注意が必要だといえると思います。
釣り具について
その高評価、本当?
釣り具は、定期的に新製品が発売されます。
同じ名称のものでも、数年ごとにモデルチェンジを繰り返していきます。
新製品が出ると、ネット上に一斉にレビューが並びます。
「上位機種とそん色ない」「この価格帯ではありえない使いやすさ」等など。
確かに、メーカーが威信をかけて発売した新製品、悪いものではないはずです。
しかし、上位モデルと同等、とまでいくと、本当でしょうか?
かくいう私も、はじめのころはこのようなレビューに踊らされ、出る製品すべて欲しくなってしまっていました。
ただ、タックルがどんどん増えたとしても、使うのは一人。
結局、お得に思えたとしても、自分が使うのに足るスペックのものが一通りあれば十分なことにだんだんと気づいてきました。
お得だから買っておこう、ではなく、何が必要なのか考えて購入していくことが、一番経済的なのではないでしょうか。
そのスペック、本当に必要?
釣り具のなかでもリールなどは、高性能であることのデメリットは、価格以外ありません(自分のやりたい釣りに合致した機種である必要はありますが)。
ロッド(竿)の場合は、ハイエンドの機種になると、特定の方向にとがった性格を持っているものも多いので、自分の癖と合わない場合、使いにくい場合もあるようです。
というように、ものによってハイエンドのほうが良い場合もあれば逆に良くないこともあるのですが、特に慣れていない人がハイエンドを突き詰めると、周りにも迷惑をかけてしまうのが、ライトです。
LEDが普及してから、ライトには非常に高出力のものが増えてきました。
自動車のヘッドライト並みの光量を持つ製品もあるようです。
ただ、夜釣りでライトを照らす必要があるのは、基本的に手元と足元だけです。
人口の明かりが全く届かない、人っ子一人いない大自然の中に行くのではない限り(まあ、そのような場所でも大光量が必要かどうかは?ですが)そこそこの光量のライトで十分なはずです。
また、夜釣りが慣れていない人の中には、照らす場所がわかっていない人もいます。
暗い中釣りをしている他の釣り人を照らすことがどんなに迷惑か…
考えもなく海にライトを向けることが、どれだけ周りの釣り人の神経を逆なでしているか…
足元ではなく中空を照らしながら歩いているライトの光が数百メートル先にいる人の目に刺さることがどんなに暴力的なものか…
もちろん、夜釣りの最中ライトがつかなくなってしまうのは困ります。
そのため、信頼性の高さは必要でしょう。
しかし、オーバースペックな大光量は周囲の迷惑になる可能性のあることは知っておいてほしいものです。

